デイライトシステムを使った内観のレンダリング編Part2として、今回は前回の後半で少し触れた露出制御の方法やパラメータの話を交え、「リファイン」と「リギャザー」を使用してのレンダリング結果の違いを見てみたいと思う。ちなみに質感設定はこれまでと全て同一で、デイライトシステムの設定も前回と同じ設定で行い、「リファイン」、「リギャザー」、「露出制御」の変化のみが分かるように配慮した。比較参考として前回の図1、図2も参照して欲しい。

前回の図2でリファインをかけて絵のクオリティアップを図ったが、リファインに変えてリギャザーをかけたものが図1である。冒頭で記述しているように質感設定等が同じ場合のリファインとリギャザーの差異が前回の図2と図1の違いである。光のバランスはリギャザーの方が落ちついていると思うが、リファインのものより時間が進んで日暮れ前のような明るさになってしまった(デイライトシステムで午後2時に設定している)。第3回の項で最も高品位な結果を導くことが出来るのがリギャザーだと説明したが、現状の質感設定においてはそうとも言えず、なおかつリギャザーは計算コストが大幅に上がるため、計算方法の選択にはプロジェクトの性質を見極めて最適と思われるものを使用しなければならないことはこの2枚の絵を見れば明らかだと思う。

図1

図2は図1で設定している露出制御の「自動露出コントロール」にある輝度パラメータを少し上げたものである。図1より明るいやわらかな絵がレンダリング出来たがもう少し締りが欲しいので、今度は先ほどの輝度パラメータを少し下げ、コントラストパラメータを上げてレンダリングした(図3)。コントラストが上がり絵に締りが出てきたが、コントラストを上げた副作用でテクスチャー自身のコントラストも上がりテクスチャーが鮮明になりすぎた感がある。この辺の調整はテクスチャー自体を弄るなり質感設定を変更するなりすればより良好な結果が得られると思う。

図2
図3

最後に露出制御の方法を「対数型コントロール」に変更したものが図4である。図3で設定した輝度、コントラストを極端に変更し(輝度を大幅に下げ、コントラストを大幅に上げた)併せて物理スケールも変更した。大きくパラメータを変更しているのは、変更しないと絵にならないからで、この大幅な変更が「自動露出コントロール」と「対数型露出コントロール」の違いとなっている。

以上のように簡単なパラメータ変更による異なるレンダリング結果をお見せしたが、後半で取り上げた露出制御はラジオシティ計算後にパラメータを変更できるものなので(一度ラジオシティをかけてしまえば、その後はラジオシティ計算をしなくて済む)、計算コストが抑えられ非常に便利なものである。前述のリファインなどと共に露出制御も積極的に活用して頂きたい。

図4