主に集団に焦点を当てる生徒指導に対して、教育相談とは、一人一人の生徒の教育上の問題について、本人または親などにその望ましい在り方を助言すること。しかし、重要なのは1対1だけで行うものではないこと。すべての生徒を対象として心理学的アプローチにより開発的に行うものがベースとなる。加えて、予防的に一部の生徒に行う登校しぶりのような問題の早期発見につながるもの、一人の生徒だけに関わる、今そこにある問題に取り組む治療的(専門的援助)にものと段階がある。これらは、小さな差異がとらえられるかどうか重要となること。

疑問に思ったこと
教育相談は教師やカウンセラーが担うが、大きな流れとして「チーム学校」でやる方向性にある。しかし、教師ー生徒関係の“切り貼り”は発達の観点から問題にならないだろうか。アメリカのスクールカウンセラーは生徒指導を担うが、日本で言うスクールカウンセラーは、スクールセラピストである。教師が行う教育相談は問題行動となる前の早期発見までを受け持つ。そのためには、問題理解の視点を多く持ち、日頃から生徒との関係を通して小さな信頼関係を積み重ねていくことが大切と言える。生活全体を眺め、長所や魅力、関心事を探すようにして、欠点ばかり見るようにせず、スクールセラピストに引き継ぐ前の段階で対応できればといいと思う。

その他、気づいたこと
相談援助活動という視点。人間関係の善き実践ということ。判断の偏りや、無自覚のうちに特定の型にはめてしまわないような、教師自身の文脈の書き換え能力の大切さに気づいた。